みあげればソラ


「てめぇ〜、何すんだっ!」


美亜に蹴り飛ばされて、男は憤った。

彼女の抵抗は男の支配欲に油を注いでしまったのかもしれない。

「俺に逆らえると思ってるのか?!」

更に勢いを増して襲いかかってきた獣は、美亜の美しい顔をその手で叩いた。

「大人しくしてりゃ、優しく抱いてやったのになぁ〜

まぁ、少し抵抗されたくらいが熱くなれるか」

叩かれた頬を手で庇い、挑むように睨みつけた美亜を見て、その男は可笑しそうに笑ったのだ。

「男に抵抗するってのはな、命掛けなんだよっ」

服を胸元から力ずくで引き裂かれ、抵抗する右手を抑えこまれた。

「バカが、力で男に勝てっこないだろ」

相変わらずいい身体してるじゃねぇか、と男は美亜の胸元に顔を埋めた。


美亜は目をつぶり、どうにかしてこの嫌悪感をやり過ごそうと試みた。

あの頃は生きる為に無理やりやり過ごしてきたのだ。

耐えられる、はず……
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