みあげればソラ
「ユキがジョーんとこいるって聞いて、俺、驚いた」
少し興奮気味に雄一が話に割って入ってきた。
「雄一、安心しろ。
家にはミアと、もう一人サキっていう高校生も下宿してるし。
こいつは今はちょっと化けて女っぽくなってるが、多分お前が付き合ってたころと全然変わってないぞ」
「そうよぉ〜
化けたのは、ついさっきだから」
あたしの手にかかればどんな女も光るのよ、と勝は得意げだ。
「ど、どうせわたしはダサ暗い女です」
「誰もそこまで言ってねぇだろ」
「だ、だって……」
褒められてるのかけなされてるのか、由貴にはさっぱりわからなくなってしまったのだ。
すると、黙って三人のやり取りを聞いていた雄一が由貴をじっと見つめながら呟いた。
「ユキは昔から、飾り気なくても綺麗だったし……」
「だよなぁ〜、雄一は昔っからぞっこんだったしなぁ〜」
弘幸がからかうように雄一の肩を叩いた。
「……」
真っ赤になった雄一は、それでも由貴から視線をそらさずに、じっと彼女を見つめていた。