みあげればソラ
外はどしゃぶりの雨。
スポーツバックには身の回りの僅かな着替えと財布。
こづかい前だし、お金なんていくらも入っていなかった。
美亜は途方に暮れて歩き出した。
傘をさしても、足元から跳ね返る強い雨足に身も心もぐしゃぐしゃに濡れ、冷たくて凍えた。
何処をどう歩いたのか覚えていない。
何時間も歩き続けて、辿り着いた公園のベンチで蹲った。
このまま消えて無くなってしまえばいい。
そう思って目を閉じた。
もう寒ささえ感じなかった。