みあげればソラ
勢い飛び出たプロポーズの言葉に、由貴は信じられない思いでいた。
抱きしめた姿勢のままで、雄一はいったいどんな顔をしてその言葉を口にしたのだろう。
「ユウくん……、嬉しい……」
それでも、由貴は嬉しかった。
「それってイエスってこと?」
ガバッと身体を引き離し、雄一が真っ赤な顔を由貴に晒した。
「ユウくん、真っ赤だよぉ」
「ったく、こんなこっ恥かしい台詞、言う予定じゃなかったし」
「取り消すの?」
「まさか。
恥かしいのは一度で十分だ。
ユキこそキャンセルはなしだぞ」
「えぇ〜、2年も執行猶予があるのに?」
「そのあいだもしっかり愛してやる」
「……、その台詞も十分恥かしいよぉ」
「だな」
二人見つめあって笑った。
「ユキ、好きだ、愛してる」
「ユウくん、わたしも、大好き」
もう迷いはなかった。
いつまでもきみと一緒。
二人の今は始まったばかりだ。