桜の下で ~幕末純愛~ 番外集
何とか落ち着きを取り戻した土方と半分笑い出しそうな沖田。



「おい、総司!いい加減にしろ」

「はい、はい。分かりましたよ」

「で、此処は一体何処なんだ?」

「そうですね、私達の時代から150年以上経った時代です」



その言葉に土方は驚愕する。



「何ふざけてやがる」

「ふざけてなんていませんよ。見たら分かるんじゃないですか?私は1年程前にタイムスリップしてきたんです。そして土方さんは今タイムスリップしてきたんですよ」

「た、たい……何だ、そりゃ」

「時渡りというやつですかね」

「時渡り…………」



深刻な顔をして眉間の皺を深くする土方。



「何故私達がタイムスリップしたのか理由は分かりませんけど」


少し困った様に沖田が笑う。



「で、あの女は何だ」



桜夜の事を聞かれると沖田は表情を和らげる。



「桜夜ですか?私を拾ってくれたんですよ」

「総司、お前……」



今まで見たこともない表情を見せる沖田に土方はこれ以上ない程驚いた。
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