桜の下で ~幕末純愛~ 番外集
「どうかって、バレンタインだぜ!総司は気にならねぇのかよ」



動きを止められ、渋々起き上がった哲也。



「ええ、全く」



起き上がった哲也を見て、沖田はクスリと笑う。



「余裕ってやつかよ」

「余裕?そんな物はありませんけれど。今、とても気になるのは何故哲くんが此処に居るのかと言う事です」

「俺?あー、総司に聞きてえコトがあるからだろ」

「私に聞くなら今でなくとも良いでしょう?桜夜は既に学校へ行きましたよ」




平日に、桜夜が居なくなるのを見計らって、哲也は沖田を訪ねたのだ。



「い、行くよ!行くからよ!あ、後で……」

「後で?」



ジロリと哲也を見る。



「お、おう……後……で?」

「バレンタインや私に尋ねたい事よりも学校が優先なのでは?」



沖田の睨みに哲也は一瞬は怯むも学校へ向かう気はないらしい。



「んな怖ぇ顔すんなって。行くつってんじゃんか



沖田との話しが終わらないと学校へ向かう気はない哲也に、沖田は半ば諦め、先に話しを聞く事にした。
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