桜の下で ~幕末純愛~ 番外集
「近いです、離れてください」



沖田が哲也を押し返す。



「わりぃ、つい」

「残念ながら、桜夜がどんなチョコレートが好きかは私も知りませんよ」

「え?そうなのかよ?」



うなだれる哲也。



「ええ。考えると今まで桜夜とチョコレートを食べた事がありません」

「マジか?!」

「そう言う事です。さ、これで用は済みましたね。今なら一限目にも間に合います」



沖田は哲也を立たせ、学校へと促す。




「なぁ、総司。リサーチしてくんね?」

「お断りします」

「何でだよ」

「何でもです」



そのまま哲也を玄関から放り出し、ヒラヒラと手を振る。

ふてくされた顔付きで哲也が消えていった。




「教える訳がないでしょう。桜夜はまだ渡してはあげませんよ」



クスリと沖田は笑った。




ー了ー
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