桜の下で ~幕末純愛~ 番外集
「もぉ、総司ってば…」



桜夜と沖田は河原の木陰に座っていた。



「はい、どうぞ」



沖田が途中で買った団子を差し出す。



「どぉぞ、じゃないでしょ?総出で捕獲作戦されてたじゃん」

「今回は随分と大掛かりでしたよね」



ニッコリと笑い、団子を頬張る沖田。

盛大な溜め息を吐いて桜夜も団子を手に取る。




「ねぇ?あっち…未来では毎日竹刀振ってたでしょ?たまに哲とも稽古みたいのしてたじゃない。ここではほっっっとんど稽古してる総司見たことないんだけど?」




ジトーと沖田を横目で見る。




「桜夜、目は口ほどに物を言うとは言いますが…口も物を言ってますね」

「口は物を言うところですから」




クスリと笑い、沖田はそのまま寝転んだ。




「未来は平和でしたからね。身体が鈍る度合いが違いますから」

「こっちだと鈍らないの?」




桜夜が不思議そうに首を傾げる。



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