LOVELY DIET
 「勉強会どうたった?」
智希が聞く。

「うーん……。良く覚えていないんだ」
雪那は正直に告白した。

「だからか〜!?」
智希は突然大笑い。

「上の空だったみたい」
雪那は恥ずかしそうに俯いた。


「派遣切りの後、工場も変わってな。星形工場形式に近付いてきた」

「星形!?」

「組み立てを中心に置き、周りに部品提供所を設置すれば、不良品率を下げられるんだ」

「あ、だから私達は真ん中なのか?」
雪那は又俯いた。

「どうした?」
智希は雪那の手を優しく握り締めた。

雪那は思わず手を引いた。

――こんな事されたら又好きになるよ。

雪那は何も言えなくなっていた。

――勉強すれば解る事なのに、私は一体何していたんだろう?

雪那は自分を怠け者だと思った。
だから余計に、まともに智希を見られなかったのだ。



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