LOVELY DIET
特別勉強会
やっと仕事に慣れた頃、雪那は一時組み立て班から外れた。
本社主催の勉強会に一週間出席する為だった。
会場は会社の保養所として買い取ったホテルだった。
バブル時代に建設された豪華な造りで、結婚式場も完備していた。
リーダーは亡くなった旦那様と此処で夫婦の縁を結んだのだった。
仲間の中に、来日韓国人の研修生もいた。
誰から見ても[イケてるメンズ]
いわゆるイケメンだった。
春夏秋冬シリーズにでも出ていそうな風体。
――こういう人をハンサムって言うんだろうな?
素直にそう思った。
雪那は背の高い好青年の研修生が気になった。
智希から乗り換えてもいいかなと本気で思った。
それでも外国人だという事がネックになった。
――流行りの韓流に乗っちゃうか?
――イケメンだし……
――でも言葉の壁が……
――来日って事は日本語もOKなのかも……
――でもご両親がきっと日本語ダメかも……
――先輩はリーダーと同棲中だし……
――でも本当は好き!
収拾がつかない堂々巡り。
結局は智希が好きで収まった。いや。
収まる筈がなかった。
雪那は全てを忘れ勉強に専念しようとした。
頭を切り替えようと持ってきたお菓子の封を切った。
これが間違いの素だった。
一袋が、あっという間に無くなった。
いわゆるやけ食いだった。
雪那はダイエットする前のように、ポッチャリの体型に逆戻りしていた。
「ヤバい。これが噂のリバウンド?」
雪那はがっかりしながらヘルスメーターに乗った。
体重は余り増えていなかった。
でも確実におなか周りがぷよぷよだった。
これじゃアタック出来ないと、再びダイエットに精を出した。
――又恋の為?
――あれっ、まだ話もしていない。
又堂々巡り。
これはきちんと話してからでないと。
そう思う内に勉強会は終了していた。
雪那は勉強会の資料をボストンバックに入れながら、もう一度目を通した。
エコポイント・ハイブリッドカー・電気自動車。
今の車社会の基礎研修の為だった。
でも雪那の就職した会社には主力製品がなかった。
だからこの不利な局面を何とか打破しようと集まったのだった。
自分は一体何をしていたのか?
雪那は急に恥ずかしくなった。
来日韓国人のイケメンの事ばかり考えていた。
智希と比べてウキウキしていた。勉強会など上の空だった。
地元に戻るその前に、自分ならではの勉強会。
それは深夜まで続いた。
何故雪那が勉強会に選ばれたのか?
会社が若者の意見を反映しようとしたから。
組み立て班のリーダーの推薦だったから。
会社の命運を掛けた一大プロジェクトだったのだ。
エコカー減税の終了はすぐ其処に迫っていた。
本社主催の勉強会に一週間出席する為だった。
会場は会社の保養所として買い取ったホテルだった。
バブル時代に建設された豪華な造りで、結婚式場も完備していた。
リーダーは亡くなった旦那様と此処で夫婦の縁を結んだのだった。
仲間の中に、来日韓国人の研修生もいた。
誰から見ても[イケてるメンズ]
いわゆるイケメンだった。
春夏秋冬シリーズにでも出ていそうな風体。
――こういう人をハンサムって言うんだろうな?
素直にそう思った。
雪那は背の高い好青年の研修生が気になった。
智希から乗り換えてもいいかなと本気で思った。
それでも外国人だという事がネックになった。
――流行りの韓流に乗っちゃうか?
――イケメンだし……
――でも言葉の壁が……
――来日って事は日本語もOKなのかも……
――でもご両親がきっと日本語ダメかも……
――先輩はリーダーと同棲中だし……
――でも本当は好き!
収拾がつかない堂々巡り。
結局は智希が好きで収まった。いや。
収まる筈がなかった。
雪那は全てを忘れ勉強に専念しようとした。
頭を切り替えようと持ってきたお菓子の封を切った。
これが間違いの素だった。
一袋が、あっという間に無くなった。
いわゆるやけ食いだった。
雪那はダイエットする前のように、ポッチャリの体型に逆戻りしていた。
「ヤバい。これが噂のリバウンド?」
雪那はがっかりしながらヘルスメーターに乗った。
体重は余り増えていなかった。
でも確実におなか周りがぷよぷよだった。
これじゃアタック出来ないと、再びダイエットに精を出した。
――又恋の為?
――あれっ、まだ話もしていない。
又堂々巡り。
これはきちんと話してからでないと。
そう思う内に勉強会は終了していた。
雪那は勉強会の資料をボストンバックに入れながら、もう一度目を通した。
エコポイント・ハイブリッドカー・電気自動車。
今の車社会の基礎研修の為だった。
でも雪那の就職した会社には主力製品がなかった。
だからこの不利な局面を何とか打破しようと集まったのだった。
自分は一体何をしていたのか?
雪那は急に恥ずかしくなった。
来日韓国人のイケメンの事ばかり考えていた。
智希と比べてウキウキしていた。勉強会など上の空だった。
地元に戻るその前に、自分ならではの勉強会。
それは深夜まで続いた。
何故雪那が勉強会に選ばれたのか?
会社が若者の意見を反映しようとしたから。
組み立て班のリーダーの推薦だったから。
会社の命運を掛けた一大プロジェクトだったのだ。
エコカー減税の終了はすぐ其処に迫っていた。