私を変えた彼のお話
初夏とはいえまだ夜は少し肌寒かった。
早く家に帰ろうと思い、いつもより少し速めの速度で歩いた。

しばらく歩いたところで、自分の後ろを私と同じペースで歩く者の存在に気付いた。
その足音がコツコツというヒールの音だったら安心したのだが、残念なことに、少し重めの音で明らかに男の足音だった。
ちょうど「ちかんに用心」という看板が目に入り、恐怖心が更に煽られてしまった私は歩くスピードをもっと速めた。
近くにコンビニがあるのを思い出し、帰り道とは反対方向になってしまうがコンビニへと急いだ。
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