ハッピーバースデイ
昼休み、少人数に囲まれた銀司を横目に、ちーちゃんのクラスに行く。
お財布を持ったちーちゃんが恋人の佐月君とこちらに歩いて来ていた。
「あ、葵ー。一緒に食堂行こうって誘おうと思ってた」
「本当? 私もちょっと相談があってね」
「以心伝心じゃーん。あれ、西村は?」
きょろりと辺りを見回すちーちゃん。
あ、佐月君の存在を忘れていた。
「ごめんね、今日一緒に食べても良い?」
「いいよー、俺もそのつもりだったし」
にこにこと笑う彼は本当にちーちゃんにお似合いだ。