どろぽう
ーーーカチッカチッ

相も変わらず時計の秒針は音を刻み続ける。


明日には大学の授業がある。


寝なければいけない。


でも、
体は寝てくれない。


眠れないことへのイラつきと戦ってはみたものの、
勝てそうにないことに気づいた美音は体を起こし、
部屋の電気を付けた。


ピッ

という音と共についた灯りがあまりにも眩しくて
美音は目を細める。


『お早う』


返ってくる筈もない言葉を
美音はその空間へと投げかけた
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