早瀬くん、好き。
「それで彩芽ちゃんはセイヤくんの方に…?」
「…あぁ。
それからというもの頻繁に月夜のことについて俺のところに相談しにくるようなってな…。
けど、告白したのは俺だ」
…どうして?
弟の彼女なんだよ?
「…早瀬くんの彼女なのにどうしてですか!?」
セイヤくんは優しい人なのに…。
「…そんなの、あいつが憎かったからだよ。
俺の彼女だった女は月夜をみた途端俺のことをあっさり捨てたんだ。
それに、いつだって俺のところにくる女はあいつにフられた女か、あいつが飽きて捨てた女ばっかり。
実際に彩芽だって…。
だから今度は俺があいつから奪ってやったんだ…ッ」
セイヤくん…。
確かにセイヤくんはたくさん、たくさん…辛い思いをしてきたかもしれない。
だけど…
だけど…ッ
「そんなの間違ってるよ…っ!!
早瀬くん辛かったって言ってたよ…?
どうしてか分かる…っ?」
「…そんなの俺から彩芽をとられたからだろ?」
「…ちがうよ!
確かに彩芽ちゃんがセイヤくんの方にいっちゃったことも辛かったと思うよ。
けどねっ!!
同んなじくらい辛かったのはね
セイヤくんにも裏切られたってことだよ!!」