早瀬くん、好き。
「バーカ。冗談だよ。
お楽しみはまた今度にとっとく。」
冗談か。
ほっとしたような残念なような。
経験がない私には何とも言えない気持ち。
「じゃあ、そろそろ帰るわ。
お前も家ん中入れ。危ねえから。」
心配してくれてる?
「あ、うん!
送ってくれてありがとうっ!」
「…あ、それと、兄貴のことは名字で呼べ。
早瀬くんって言うのはなしな。
俺とかぶるから。
じゃあまたあした」
そう言ってスタスタ歩いて行ってしまった。
セイヤくんのことなんて呼んだらいいんだろ?
名前と早瀬くんはなしだからー、
早瀬?
いやいや呼び捨てはちょっとね。
まぁ後でかんがえよー!
私は今日の嬉しい出来事の全てを胸に刻み込んで家の中に入った。