早瀬くん、好き。
私はさっきよりも強く早瀬くんの手を握りしめた。
「ねぇ、そういえばさ早瀬くん正樹の時も早瀬さんのときも喧嘩手抜いてたよね?」
そうそう、これが聞きたかったんです。
「兄貴のこと早瀬さんって呼ぶことにしたんだ、合格。」
私が欲しい答えはそこじゃないんですけどぉー…。
「手抜いた?抜いてない?」
「さぁなー…」
また話をはぐらかしたな!
「まぁ、どっちにせよ兄貴は叶えたかった夢を叶えることを決めたんだ。
めでたし、だろ?」
微笑んでそう言う早瀬くんをみて
あぁ、やっぱり手を抜いてたんだ。
そう確信した。
早瀬さんに早瀬くんを倒させることで早瀬さんの中学の時に止まった時計を動かせるために…。
やっぱり優しい人。早瀬くんって。