[B L]だからスキって言ったのに〒続編
「しに、かけてる…?」
「…なんだ、知らなかったのかよ。
アイツは、オマエが別れを告げてから、日に日に弱っていった。
それほどショックが大きかったんだろうな。
それだけじゃないさ。
夏音は、お前に信じてもらうために、振り向いてもらうためにさんざん努力したんだ。
弓道の練習もひたすら頑張り、勉強もたくさんした。
そのせいで、発作が頻繁に起こるようになっていった。
今じゃ、薬を毎日持ち歩いてるザマだ。
でも天野。
これはオマエも気付くチャンスがあったんだぜ?」
その言葉に、天野は首を傾げる。
「合宿の日、天野。オマエルイってヤツと一緒にいただろ?
あの日、お前とわかれたあと。
お前が夏音を追いかけていれば、夏音が倒れることはなかった。
あの後、夏音が廊下で倒れていたのを俺が見つけた。」
天野は俯く。
そして呟いた。
「オレが気付くチャンスは、あった…?」
「そうだ。
オマエが気付くチャンスはいくらでもあった。
それをないがしろにしたのは天野、お前だ。」
「夏音が倒れた、なんて…
オレ、知らなくて…ッ!
アイツの中で、そんなに大きな存在だったなんて、オレはッ…!!」
「まだわかんねぇのか!!
これがテメェが望んだことだろ!?
テメェが選んだ結末だろ!?
今更、知らぬ存ぜぬじゃあ通らねぇんだよ!!
小林夏音さんが死にました、はいそーですかじゃ終わらねぇんだよ!!!!!!!!」
天野はその言葉に頭を抱える。
言いようのない不安と恐怖と後悔が、天野を埋め尽くしていた。