[B L]だからスキって言ったのに〒続編


「しに、かけてる…?」


「…なんだ、知らなかったのかよ。


アイツは、オマエが別れを告げてから、日に日に弱っていった。

それほどショックが大きかったんだろうな。


それだけじゃないさ。


夏音は、お前に信じてもらうために、振り向いてもらうためにさんざん努力したんだ。


弓道の練習もひたすら頑張り、勉強もたくさんした。


そのせいで、発作が頻繁に起こるようになっていった。


今じゃ、薬を毎日持ち歩いてるザマだ。


でも天野。

これはオマエも気付くチャンスがあったんだぜ?」



その言葉に、天野は首を傾げる。



「合宿の日、天野。オマエルイってヤツと一緒にいただろ?

あの日、お前とわかれたあと。


お前が夏音を追いかけていれば、夏音が倒れることはなかった。


あの後、夏音が廊下で倒れていたのを俺が見つけた。」




天野は俯く。


そして呟いた。



「オレが気付くチャンスは、あった…?」


「そうだ。

オマエが気付くチャンスはいくらでもあった。

それをないがしろにしたのは天野、お前だ。」


「夏音が倒れた、なんて…

オレ、知らなくて…ッ!

アイツの中で、そんなに大きな存在だったなんて、オレはッ…!!」


「まだわかんねぇのか!!

これがテメェが望んだことだろ!?

テメェが選んだ結末だろ!?

今更、知らぬ存ぜぬじゃあ通らねぇんだよ!!

小林夏音さんが死にました、はいそーですかじゃ終わらねぇんだよ!!!!!!!!」



天野はその言葉に頭を抱える。


言いようのない不安と恐怖と後悔が、天野を埋め尽くしていた。

< 45 / 68 >

この作品をシェア

pagetop