[B L]だからスキって言ったのに〒続編
軽い音を立てて、夏音は倒れた。
倒れたことで見えた顔は、生きているとは思えない蒼白さで。
東悟の頭を、嫌な予感がよぎった。
東悟は夏音を激しく揺らす。
「夏音、夏音!?
起きろ、起きてくれ!!!!!!」
しかし、夏音の瞼はピクリとも動かない。
すると、夏音の手からコロコロと何かが転がる。
それは、ついさっき目にした発作の薬だった。
中身は空。
東悟はすぐに理解することができた。
「─────────…ッ」
東悟は夏音を背負い、夏音の部屋まで連れて行った。
そして夏音をベッドに寝かすと、一息つく。
その後東悟は薬を探し、水と一緒に口に含み、夏音にキスをした。
ゴクン
夏音の喉を、薬と水が通る。
東悟は口を離すと、愛おしそうに「夏音…」と呟いた。
しかし、夏音が寝言で発した名前は
「天野…しん、じ…て」
その言葉に、東悟は唇をギリッと噛んだ。