死の百物語と神は云う。
 心なしか、一部を除いたみんなの顔色は、いっせいに青色に染まった。


「幽霊に憑かれているっていうことかァ?」


 竜司が尋ねてきたので、肯定の意味をかねてコクッとうなずくと、ニヤリと意味深げな笑みを浮かべる。


「その幽霊が憑いているのってさァ……健吾、テメェじゃね?♪」

「嬉しそうに言うんじゃねぇよ!だいたい、俺じゃなくてお前じゃねぇの?★」


 再び言い合いゲンカが始まりそうな最中、悠夜と昶が小さく溜め息を吐いた。


「健吾くんもたいがいだね……」

「それで、誰に憑いているのかな?その幽霊さんは」


 尋ねてきた悠夜に、私は言った。


 ――全員、と。


 シンと静まり返る講堂。

 でも……私……。


「ちょっ、マジかよ?!幽霊に憑かれるような何か悪いことしたっけ?!」


 お祓いなら……一応……。


「日頃の行いが悪いからじゃねェ?」


 出来る……から……。


「それはお前もだろ!」


 ……。


 再びみんながワイワイ、ガヤガヤと騒ぎ出すそのせいで……。

 ふっ……。

 5本目の蝋燭の火が消えた。



 言わずもがな、みんなの騒ぎがおさまってきたところで、ちゃんとお祓いをして事なきを得ました。
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