死の百物語と神は云う。
「……って、ちょっと待てぇーいっ!」


 蝋燭を吹き、話を終えたことに一段落していると、なにやら健吾が顔を真っ赤にさせて声を荒げた。


「ンだよ、うっせェな」

「それで終わりかよ?!みんな真剣に話しているのに、そんな適当で終わらせていいと思ってるのか?!」

「……ヒトリ、真剣かどうかわかんねェけどな」


 まあ、鈴村本人は真剣に話していたんだろうが。


「あああっ、あっ、亜希ちゃんのことか?!亜希ちゃんは真剣に話していたに決まっているだろ?!だいたいおま…」


 アー、アー、アー、聴こえねェ、聴こえねェ……っと。

 こいつ、ただでさえうるせェけど、鈴村亜希が絡むとさらにうるせェからな……次からは気を付けよ。じゃねェと耳が死ぬ。


「健吾、もういいよ。竜司も悪気があったわけじゃないと思うから……ね?」


 そんなうるせェ健吾を、悠夜……じゃなかった、ヘナチョコが引き止める。ヘナチョコのクセして、こういうところはいっちょ前というか……ああ、慣れちまったのか。カワイソウに。


「まぁ、悠夜が言うなら……」


 ……何が怖いって、悠夜のなだめが本当に効くのがこえェーよ。久遠も悠夜の言うことだけは聴くし、1番怖いのって悠夜のなだめじゃね?
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