死の百物語と神は云う。
「っていうかさぁ、こんな低脳な話しか出来ないなんて、やっぱり針谷サンって単細胞で出来てるんっしょ?★」

「……」


 宇江原の野郎がニヤニヤと憎たらしい笑みを浮かべた。しかし、無視。ここで熱くなっちまったら俺様の作戦はパァだからな。


 ――俺様のひとりで考えついたこの作戦は、今まさに、始まったばかりなんだから、さ。


「次からはちゃんと話してね?竜司」


 ヘナチョコのちょっと怒ったような拗ねたような表情を見せられ、不覚にもドキリとビックリさせられた。

 こいつ……こんな顔もするんだな、一応。

 まァ、女顔だか童顔のせいでぜんっぜん怖くねェし、迫力もねェがな。


「ハイハイ」


 と、適当に言葉を返すと、動きをとめていた百物語を再開したのであった……。
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