死の百物語と神は云う。

○8:女友達

【宇江原一樹】


「美里。とても怖い話だったぞ!……あとでその家の奴らをシメておくか」

「えっ?今なんて――きゃっ!お兄様、そんなに頭を撫でないでくださいっ……皆さんが見ていますよっ」

「そうだねー。どっかの竜司に比べたら数倍以上も怖い話だったねー」

「久遠。棒読みはやめろ」


 ふと、目を覚ます。

 なんか頬がズキズキと痛むような……ハッ!そうだ、思いっきりグーで殴られたんだ。それでどうやら気絶していたみたいだ……。

 それにしても、美里ちゃ……美里“さん”があの単細胞の妹だったとはなぁ。顔付きとか性格とか全然似てないんだけど……どういうことなの。

 まぁ、いいか。あの兄妹に関わったらまたグーで殴られそうだし。世の中には関与しないでいることの方が幸せ……ってね★


「目覚めて早々なんだけど、さっそく話したいと思いまーす」


 俺がそう言うと、周りのみんなはいっせいにこっちを見た。

 ……おいおい。

 その「ああ。お前、起きたんだ。そのまま気絶したままでも全然よかったのに」みたいな目はやめろ。地味に傷付くだろっ。

 ……その目には気付かないふりをして、話し始めるとするか。

 えー……俺が話す話は――。
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