死の百物語と神は云う。
「え……、でも、11人いますよ?」


 何度数えても、その場にいるのは11人。だれかが1人、誘ったのかもしれない。


「ねぇねぇ!はやく始めよーよー。人数なんてどうだっていいからさー」


 隣に座っている久遠は、口をぷくぅっと膨らませて拗ねた顔をする。

 このままだと痺れを切らしてこの場を荒らしてしまいかねない……。


「じゃあ、始めましょうか」


 正直、増えた1人が気になるけれど……。

 僕が言うと、みんなはコクンッとうなずいた。


「それじゃあ、最初は――」

「はいはーい!僕からやるー!」


 僕の言葉をさえぎるように、久遠は片手をぶんぶんと振った。


「久遠から……。ということで異論はないですか?」


 僕が問うと、みんなはいっせいにうなずいた。


「んじゃあ、僕から話すよー!」


 久遠は大きく息を吸い込み、そして、ゆっくりと口を開いた――。
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