死の百物語と神は云う。
 あるところに、誰がいつどう見ても、とても仲良しな兄妹がいた。

 妹は兄を慕っており、兄は妹を羨む……ケンカなんてしたことがあるのか疑われるほどに仲良しな2人。

 その兄妹の一家は有名な家系で、1番年上の子供……しかも“男”が継がなければならないことになっている。

 そのため、1番年上であり男である兄は、継ぐための稽古の時間が増やされたため、妹と一緒にいる時間が減っていってしまったんだ。


「私、もっとお兄様といたい」


 妹がいくらそう家族のみんなにお願いしても、訴えても、誰も耳を貸そうとはせず……。

 むしろ、「一緒にいたい」「会いたい」と言う妹の存在が、兄にとって邪魔になるからと隔離されてしまった。

 日に日に元気がなくなっていく妹。兄も厳しい稽古や妹に会えない寂しさから、精神的にも肉体的にもどんどん追い詰められていった。

 そんなある日、この一家を決定的に崩壊させた出来事が起こる。

 それは……。
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