【短編】切符
 そういえば、最近逢う回数が減っていた。

リョウの心が計れなくて不安に心が
締め付けられる。

涙が溢れそうになるのを必死の思いで我慢した。

見上げた天井がぼんやりと霞んでくる。


悟られないように、髪の毛をかき上げる振りをして服の袖で涙をぬぐう。


「泣いてるのか?」

リョウが優しい声音で聞く。


『優しい振りしてもダメだよ』

とマユは心でつぶやく。
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