だから私は雨の日が好き。【秋の章】※加筆修正版
水鳥さんは種明かしはおしまい、とばかりに肩をすくめた。
そして、『筒抜け』という言葉に私は真っ赤になってしまった。
「・・・あの。今も筒抜けですか?」
「そうね。多分、ほとんどのことは知ってると思うわ。もう、相談癖ついちゃってるみたいだし」
今度二人で会った時、絶対に説教をしよう、と心に決めた。
でも、こんなにも櫻井さんとの繋がりが深いのに、水鳥さんはずっと私の味方でいてくれることがとても嬉しかった。
私が水鳥さんなら、可愛い後輩を優先してしまうかも、と考えていた。
「水鳥さんは、どうしていつも私の味方でいてくれるんですか?」
純粋な疑問だった。
思わず口から出たその言葉に、水鳥さんは一瞬驚いていたが、いつもの笑顔を浮かべた。
優しい顔。
「シグのことが好きだからよ」
真っ直ぐな言葉に、私の方が赤面してしまう。
簡単でシンプルな理由。
「純粋に羨ましい、と想ったのよ。そんな風に、真っ直ぐに想ってもらえることが」
「水鳥さんだって、想われてるじゃないですか」
「純粋さは、無いかもしれないわね。私の周りに寄ってくるような人は」
そうかもしれない、と思って自然と苦笑いを返していた。