だから私は雨の日が好き。【秋の章】※加筆修正版





「そうだね。長期はいつも旅行してるから、そっちにいないんだ。ごめん」


『いえ、気にしないで下さい。それも伝えてあります。『それなら仕方ない』って笑ってました。でも、すごく残念そうだったので、本人に確認してみますって伝えておきました』




それで、篠木は私に連絡をくれたのだ。

色々なことに納得して、話を元に戻す。




『ただ、さっきまでクライアントはいらっしゃったんですけど、今は次の場所に向かうということでした』


「そうだったの。ごめんね。もうJRの中で、ケータイ見てなかったから」


『いえ、本当に謝らないでください。お休みなのに無理を言ってるのはこっちなので』




本当に申し訳なさそうに篠木は言った。

でも、会長の御堂さんがそんな風に他の人にも私の名前を出してくれる事が、とても嬉しかった。




篠木の今のクライアントは大手化粧品メーカーで、各地で事業展開をしている。

クリスマス限定コスメの宣伝のため、雑誌用の素材を用意しているはずだ。

その会社の広報担当は男性で、いい仕事が出来る人だと聞いたことがある。




仕事が出来る人に会うのは、自分の刺激になるので、とてもいいことだと思った。




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