だから私は雨の日が好き。【秋の章】※加筆修正版
「わかった。じゃあ、車の手配もお願いね。レンタカーパックで取れば、すぐだから」
『わかりました。それじゃあ、出発前に一度連絡入れます』
泊まっているホテルの名前と住所を告げて、じゃあ、と電話を切った。
篠木と二人だけの方が、気が楽でよかったのに。
仕事は仕事だけれど、部長が面白がっている気がしてならなかった。
水鳥さんと二人で、私達の行く末を優しく『楽しく』見守ってくれていることでしょう。
浮かんだ思考を一度振り払って、そっと息を吐く。
とりあえず、水鳥さんにお願いすることは沢山あったので、それをまとめてメモにする。
伝え忘れると二度手間になってしまうので、確認をしながら必要なものを書いていく。
スーツ。
靴。
仕事用の鞄。
ストッキングは、こっちで買えばいい。
多くなった荷物は、帰る前の日にいらないものだけ郵送してしまおう。
宿泊先とチケットの手配は、すぐにしてくれていると思う。
こちらは、美味しいお店の情報でも探ってみよう。
それと、お土産のご希望も伺わなくては。