だから私は雨の日が好き。【秋の章】※加筆修正版





「わかった。じゃあ、車の手配もお願いね。レンタカーパックで取れば、すぐだから」


『わかりました。それじゃあ、出発前に一度連絡入れます』




泊まっているホテルの名前と住所を告げて、じゃあ、と電話を切った。

篠木と二人だけの方が、気が楽でよかったのに。



仕事は仕事だけれど、部長が面白がっている気がしてならなかった。

水鳥さんと二人で、私達の行く末を優しく『楽しく』見守ってくれていることでしょう。



浮かんだ思考を一度振り払って、そっと息を吐く。

とりあえず、水鳥さんにお願いすることは沢山あったので、それをまとめてメモにする。

伝え忘れると二度手間になってしまうので、確認をしながら必要なものを書いていく。




スーツ。

靴。

仕事用の鞄。




ストッキングは、こっちで買えばいい。

多くなった荷物は、帰る前の日にいらないものだけ郵送してしまおう。

宿泊先とチケットの手配は、すぐにしてくれていると思う。

こちらは、美味しいお店の情報でも探ってみよう。


それと、お土産のご希望も伺わなくては。




< 35 / 276 >

この作品をシェア

pagetop