だから私は雨の日が好き。【秋の章】※加筆修正版
「笑って下さい、時雨さん」
「え?」
「いいから。それとも、モノマネとかしないとダメですか?」
「モノマネ?篠木が?」
「はい」
そんなこと。
想像するだけで笑えてきてしまった。
だって、篠木がやっても全っ然似ていなに決まってる!!!!
気付けば私は吹き出していた。
あはは、と大きな声を上げて。
ちょっとお腹を抱えるように、目の端から涙が出そうな勢いで。
「何で突然モノマネなんて!しかも、篠木全然似てないだろうし!!笑えてきたわ!!あはははっっ!」
「結構似てると思うんですけどね・・・」
少ししょんぼりしながらも、篠木はうーん、と悩んでいた。
何が悪かったのか、と。
そういう問題ではないのだけれど、まずは笑いを収めた。
そして、目元を拭いながら篠木を見た。
「何が言いたかったのかわからないけど、とりあえず面白かったよ」
にっこりと笑って、そう言った。
それを見て、今度は篠木が嬉しそうに笑った。
「その顔ですよ」
「ん?」
「その顔が、最強なんですよ」
今の顔?
私の顔が?