ウサギな彼氏





「あーいた!」


朝の出来事を2人に話そうとした時、誰かの叫び声が聞こえた。

あたしたちは顔を見合わせてから声のした廊下の方を見る。
こんな朝っぱらからよくそんな大きな声が出るなと思った。
まぁ、あたしも人のこと言えないか。


『……あ』


おそらく声の主であろう人を見ると、相手もこっちを見ていて近づいてきた。


「綾尾さん、間に合ったんだね!学校」
『え?あぁ……はい』


さっきまでのあたしの心配の種。
宇佐木くんがそこにいた。

よかった。
間に合ったみたい。

あたしの家から車でも学校まで20分かかるのに、どうやって間に合ったんだろう。
実は、この人ものすごく足が早いのかな?


< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop