ウサギな彼氏



なんて。
これ以上ゆっくりしていたら本格的に遅刻してしまいそうな時間になってしまっていた。
セイを追い出した後、急いで着替えて階段をかけ下りる。


『あれ?お父さんとセイ、もう出掛けるの?』


玄関に新聞を片手に持ったお父さんと、ランドセルを背負ったセイがいた。


「あぁ、会社に行く前に取引先に行くことになってな。」
『ふーん。頑張ってね』
「俺と父さんは姉ちゃんと違って忙しいんだ!」


セイは忙しくないだろう。
本当に小学生のくせに生意気なんだから。


「じゃあ行ってくる。ハルも遅刻しないようにな」
『はーい、行ってらっしゃーい』


パタパタパタッ


奥からお母さんが小走りでやって来た。


「あなた、セイ。行ってらっしゃい」
「あぁ。行って来るよ」
「行ってきまーす!」


自分で言うのもあれだが、うちの家族は他の家よりも仲が良い方だ。
お父さんとお母さんも相変わらずラブラブだし。

だから夜ご飯は家族揃ってが基本だし、お父さんが出掛けたりする時にはこうしてお母さんが見送りに来る。


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