ウサギな彼氏
2
「あはは、絶対に嘘でしょー」
教室中に響く笑い声。
この声の主はクラスメートのアサミちゃんだ。
あたしの予想は的中した。
キョウちゃんは教室に入って早々、大きな声で朝の出来事を話し始めた。
「いやいや!これがホントなの!」
「さすがのハルでもそんなバカなことしないでしょ!ねーハル?」
うっ
キョウちゃんの話を疑って聞いていたアサミちゃんが、あたしに尋ねた。
ついでにサラッと毒を吐きながら。
『……ホントです』
あたしは、そんなバカなことをしました。
「ほらぁ!」
キョウちゃんがフンッと鼻息を立てて自慢気に言った。
アサミちゃんは、唖然としている。
きっと、頭の良いアサミちゃんにあたしのバカ行動は理解しがたいだろう。
『もう!キョウちゃんやめてー』
これ以上、こんな恥ずかしいこと広めないでほしい。
「んーどうして?」
キョウちゃんがニヤニヤ笑いながら聞いた。
どうしてって……何?
キョウちゃんの質問の意味が分からなくて、あたしは頭をフル回転させた。
まぁ頭をフル回転させたところで、答えが見つかるはずはない。
「知られたくない人でもいるの?」