青空恋モヨウ【完】
その日の夜、私はベッドに横になって久しぶりにあの写真を見た


ずっと伏せていたから、ほこりまみれで
手でポンポンと払って写真を見る。


懐かしい…


修学旅行先で、撮った写真。
これが4人で撮る最後の写真になるとは思っていなかった。


私と未羽が真ん中でダブルピースを作って笑っている

私の隣、未羽の隣に海人、裕理がいて

2人ともぎこちない笑顔で笑っていた。




「ははっ。もっと笑えばよかったのに…」





『なーに1人で喋ってんだよ』




……!?!?!?




まさか……




カラカラカラ



窓を開けてベランダへ行くと




「裕理…」





向かいのベランダでへらへらと手を振っている裕理がいた




「なんで!?」



裕理「ここは俺ん家だぞ?かろうじてな。涼んでたらお前の声が聞こえたんだよ。なに?まだ窓の鍵開けたまんま寝てんの?」





「まぁね…。それにしても珍しい。裕理が家で話しかけてくるなんてね」



ふふっと笑いながらお互い向かい合わせに話す


裕理「お前、なに持ってんだ?」



「ん、あぁ。写真だよ。修学旅行の時の」




ピラピラと裕理へ見せる




裕理「今日、海人に会ったから久しぶりに見たのか?」





「未羽にも会ったよ」





裕理「え、?」





「裕理…。もう私、自分の気持ちがわからない。何を言いたいのか、何をしたいのか、何を聞きたいのかも…」





裕理は無言で聞いていてくれる。
その無言が怖くて海人となにを話していたの?なんて聞けなかった




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