青空恋モヨウ【完】
後ろからそんな声が聞こえ、つい、立ち止まってしまった


その声は、昔、本当に大好きな人の声。
そして、今、世界一大嫌いな人の声。

聞きたくない。


つい、手が震える
光くんが気づいたのか、さりげなく握る力を強めてくれた


【大丈夫?】



そんな気持ちが伝わってくる





『亜果音だよな?』






私は光くんの手を離して後ろを向いた


大好きだった人の顔が半年ぐらいぶりに見えた




「なに、海人。」




その時、光くんが私の方を向いて





光「俺はいくね」




そう言い残してどこかへ行ってしまった






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