時は誰も待ってくれない 下
後ろ姿だからって隼人だということが分からなかった。
悔しい…。
私の記憶の隼人はいつも空を見つめていて、名前を呼ぶと最初に視線だけこっちを見る癖があった。
そんなことは覚えていても顔がはっきりとは思い出せなくなっている。
一番大切な人が此処にいない。
それだけで記憶から消されていくなんてあまりにも寂しくて悔しくて改めて自分の病気のことが許せなくなる。
ちょっと調子がいいからって治るかもなんて舞い上がって…。
「ん?真由どした?」
「あ…なんでも…」
「大丈夫か?」
悔しい…。
私の記憶の隼人はいつも空を見つめていて、名前を呼ぶと最初に視線だけこっちを見る癖があった。
そんなことは覚えていても顔がはっきりとは思い出せなくなっている。
一番大切な人が此処にいない。
それだけで記憶から消されていくなんてあまりにも寂しくて悔しくて改めて自分の病気のことが許せなくなる。
ちょっと調子がいいからって治るかもなんて舞い上がって…。
「ん?真由どした?」
「あ…なんでも…」
「大丈夫か?」