時は誰も待ってくれない 下
「大丈夫大丈夫!」
「そっか。あ、さっき真由のお母さんに会ったよ」
「お母さん来てたの?」
「あぁ、でも仕事が忙しいみたいで行っちゃったけどね。これ差し入れだってさ」
「そっかぁ、いつも悪いねぇ」
「おばさんみたいだぞ」
クスクス笑いながら馬鹿にしてくる優につられて私も笑う。
シングルマザーだし私の入院費とかお金かかるし智樹の学費とかもあるし金銭面を支えるため毎日働いてくれている。
すごく忙しいと知っているから時々病院に来てくれることがとても嬉しかった。
「これは何?」
「それはカステラって言う洋菓子だな」
「へぇ!美味しそう〜」
「お母さんが真由の好きな食べ物だって言ってたぞ」
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