時は誰も待ってくれない 下
約束

「ふっ…あ…んぁ…」
「真由…っ」
「ゆ…う、あッ…」
相変わらず優は私を優しく抱く。
優しすぎて思わず涙がこぼれるほど。
優に抱かれる度に私の心は優の色に染まってこのまま優一色になって繋がりたいって思うの。
さっきまでテレビを見て笑っていた私達は今はいない。
私の前には快感に顔を歪めながら優しく微笑むはにかんだような顔をする優がいる。
「真由…」
私はそんな優を見つめながら囁かれる私の名前を聞いていた。

いつの間にか眠っていた私は体を起こして時計を見る。
あれ?今日って大学休みだっけ。
ま、いっか。
裸の私には毛布やら布団やらかけられていて横を見ても優は居なかった。
でも少しだけシーツに温もりを感じるのでさっきまで居たのは分かる。
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