時は誰も待ってくれない 下

気が抜けたら一気に睡魔のようなものが襲ってきた。
「高橋さん？高橋さん!?」
あぁだめだ…目が自然と閉じていく。
向こうは騒がしく、看護婦さんたちの困惑した声が聞こえる。
「ちょっと、男の人は…」
「真由!!しっかりしろ!!」
私は意識が朦朧とした中、優の声を聞いた。
優は泣いていた。
今まで優の泣き顔は見たことあるけどこんなにも悲しそうに泣いているのは初めて見た。
私の顔にも優の涙が落ちてきて、なぜか私も泣いてしまう。
「死ぬな!!頼む…死なないでくれ…」
優、笑って…優が泣いてると私も泣いちゃうよ…。
優は笑顔が一番いいよ。みんなを幸せにできる笑顔なんだよ…だから笑って。
「優…花言葉」
「花言葉？」
「フランネル…フラワー…」