時は誰も待ってくれない 下
そう言うと優は驚いたように目を開いて私を見つめる。
この花の名前は覚えていた。
優は花言葉を忘れちゃったと言ってたけど、どうしても知りたくなった。
「フランネルフラワー…花言葉は…」
優の声を最後に、私は意識を手放した。
意識がなくなる瞬間優は微笑みながら言った。
『いつも愛してー…』
忘れたなんて嘘だったんだね。
私を困らせてしまうと知っていたからずっと、優は言えずにいたんだよね?
やっぱり優は嘘が下手くそで優しくて大切な人だよ。
優がいなかったらきっと私は何もかも諦めていたと思う。
優がいたから隼人が死んでも、こうやって笑うことができたんだよ。
ありがとうー…。
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