時は誰も待ってくれない 下
真由…、初めてだな。
俺との会話を覚えてくれていたのは…。
また涙があふれて真由の顔に落ちていく。
フランネルフラワーの花言葉は…
『いつも愛して…』


そして真由は瞳を閉じた。
まるで眠ってるんじゃないかと思うくらい安らかに。
いろんなものが込み上げてきて視界も滲んで立ち尽くすしかできない。
真由…真由…
「うッ…あぁ…ッ」
真由、俺はこれからどうすればいい?
初めて大切な人を失ってどんなに大きな存在だったかを知るなんて遅すぎる…。
周りにいた看護婦さんたちも泣いていて
真由のお母さんたちは泣き崩れていて…
…真由、君が居なくなるとこんなにも沢山の人が悲しむんだよ。
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