時は誰も待ってくれない 下
これから俺はこの子のために生きるよ。
精一杯愛情をそそいで大切に育ててみせるよ。
そしたら真由は喜んでくれるよね?
腕の中でスヤスヤと眠る赤ん坊が愛おしくて一粒の涙がこぼれた。
この子が俺の生きる証なんだ…。
「柴田君」
不意に後ろから鈴木先生に声をかけられる。
その手にはノートを持っていて良く見ると真由の毎日日記だった。
「君は愛されてるよ」
そしてそのノートが手渡される。
一度赤ん坊をお母さんに預けてノートのページをめくると真由の綺麗な字が並んでいてちゃんと日記を書いていた。
「これ…」
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