時は誰も待ってくれない 下

俺ははもう泣かなかった。
このページだけ所々字が滲んでるのはきっと真由が泣いたから。
俺の笑顔が誰かを幸せにすることが出来るならもう泣かない。
俺が赤ちゃんを幸せにするから。
真由、ありがとう…。
赤ちゃんを抱いているお母さんがそっと歩み寄る。
「この子の名前は決まってる?」
「はい」
俺は赤ちゃんを見つめて呼ぶ。

「斗真」

爽やかな風にふと俺は振り返る。
どこかで真由のありがとうと言う声が聞こえた気がしたー…。
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