時は誰も待ってくれない 下
二人
『ねぇ、隼人』
二人手を繋いでどこまでも続く道を歩く。
『ん?』
『約束、覚えてる?』
『…』
『あー!忘れたんでしょ?』
約束といえば隼人が私のお腹に手を当てて赤ちゃんに何かを伝えた日。
気になって仕方なかったけどいつか教えてやるって約束をした。
『忘れてねぇよ』
『本当かなぁ?』
隼人はそっと私を抱きしめる。
『なんて言ったの?』
隼人は静かに答える。
『これから訪れるたくさんの出会いを大切に』