時は誰も待ってくれない 下
ロッカールームで着替えて優に電話をかけると2コール目で出た。
『もしもし』
「優、バイト終わったよ」
『了解、じゃあ今から行くね』
「うん、わかった」
電話を切るとお店を出て、優を待つ。
空は青々としていて気持ちがいい。
もう寒い時期なのに空を見てると夏を感じるくらい澄み渡ってるなぁ…。
あ、また癖だ。空を見上げていろいろ考えちゃう癖は早く治さないとな。
しばらくすると優の車が近くで止まった。
「真由、お疲れ」
「ありがとう」
助手席のドアをあけてくれた優は自分も車に乗ると静かに発進させた。
「どこ行くの?」
「んー?」
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