時は誰も待ってくれない 下
「中谷…ッ!!」
受付の人に病室を聞いて扉を開くとそこに広がる白い部屋には人影はなく、私は座り込んだ。
嘘…間に合わなかった?
もうずっと体調がよくないって言ってたから…
嘘でしょ?嫌だ、嫌だよ…
「あの…」
力なく座り込んでいる私はその声に振り返ると看護師さんが不思議そうに顔を傾げている。
「ここの病室がどうかしましたか?」
「あの…、ここに中谷…隼人って…」
看護師さんはすぐに理解して説明してくれる。
「中谷さんでしたら奥の207号室ですよ」
「え…」
「先日、集中医療室に移動になったんです」