時は誰も待ってくれない 下
優の言葉がこんなにも痛く感じるのは図星だからでしょ?
本当に何の未練もなかったらこんな気持になるわけが無い。
それでも優と居たい私は首を振るしかできない。
「真由、誰かを想いながら泣く姿を見るのも辛いんだよ」

私は息が止まる思いだった。
いつの間に私はこんなにも優を傷つけていたの?
私が無意識にする中谷の癖を、あの日から中谷を過去にしたことも全て優は知っていて…
そんな私を見るのがずっと辛かったんだ。
そんなことさえも気づかなかった。
いつも優しく笑う優に甘えすぎていた。
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