時は誰も待ってくれない 下
「死ぬなんて…言わないで」
「俺だって死にたくねぇよ!」
少しだけ声を荒らげて悔しそうに顔を背ける中谷に近づいて手を握った。
とても細くて女よりも細くて。今は私がこの手を握って一緒に歩きたい。
「あの頃は…死ぬなんて別に怖くなかった。でもお前がよく話しかけてくるようになってから
死ぬのが怖くて仕方なかった」
「…」
「今だって…、ずっとずっと会いたくて仕方なかった高橋が目の前にいると思ったら最後の夢なんじゃねぇかって思うくらい」
一息置いて静かに言った。
「高橋が好きで苦しい。忘れた日なんて一日もねぇよ」
「俺だって死にたくねぇよ!」
少しだけ声を荒らげて悔しそうに顔を背ける中谷に近づいて手を握った。
とても細くて女よりも細くて。今は私がこの手を握って一緒に歩きたい。
「あの頃は…死ぬなんて別に怖くなかった。でもお前がよく話しかけてくるようになってから
死ぬのが怖くて仕方なかった」
「…」
「今だって…、ずっとずっと会いたくて仕方なかった高橋が目の前にいると思ったら最後の夢なんじゃねぇかって思うくらい」
一息置いて静かに言った。
「高橋が好きで苦しい。忘れた日なんて一日もねぇよ」