時は誰も待ってくれない 下
「中谷!写真撮ろうよ」
それから毎日病院を訪れるようになった私は毎日、中谷と中庭で写真を撮る。それが日課のようになっていた。
中谷も以前より少しだけ顔色も良くなって車椅子で移動することが出来ている。
先生から私が来るようになってから調子がいいと聞いたときは嬉しくて泣いてしまったくらい。
「今日は暖かいね」
「そうか?」
「冬にしては暖かいんじゃない?」
「ほら、撮るんだろ」
「うん!はい、チーズ」
こうして毎日小さなカメラに私たちの日々が刻まれていく。
私たちの日々が形になっていくのが嬉しくて、中谷もそれを分かってくれているのか毎日毎日付き合ってくれる。