時は誰も待ってくれない 下
「ありがとな」

私の体から腕を離した隼人はいつも以上に優しく微笑んでいて、見間違いかもしれないけど
隼人の瞳が、濡れているように見えた。



二人でいっぱい何処かに行こうね

神様…。

-…神様?

神様なんているんだろうか。

私は叶わなかった約束をただ思い出しながら

息を止めた。
< 51 / 143 >

この作品をシェア

pagetop