時は誰も待ってくれない 下
「お前に似て優しい子になるかな」
「…」
「それに…子供に伝えたいこともあるし」
「伝えたいこと?」
「あぁ」
隼人の手が私のお腹に触れて目を閉じる。
何を伝えてるんだろう?
その顔はとても優しそうに微笑んでいて
こんな顔を見れる日が来るなんて高校生時代の私は思ってもなかった。
しばらくしてゆっくりと目を開けて満足そうにしている隼人。
「なに伝えたの?」
「ん?言わねぇー」
「えっ、教えてよ」
「お前には言わねぇよ」
「えぇー」
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